コンセントの専用回路と一般回路
専用回路と一般回路とは?
建物に設置されているコンセントは表から見ればどれも同じに見えますが、回路として見た場合、専用回路と一般回路の二種類に分類することができます。
専用回路とは分岐ブレーカーから1つだけのコンセントに接続してる回路で、一般回路は複数のコンセントに接続している回路です。
専用回路はエアコンをはじめ、電子レンジなど高容量(主に1000W以上)の家電や、冷蔵庫や温水便座など常に電力を消費する家電に用いられます。これらのコンセントは専用回路にしなければ過電流による火災・発煙のリスクがあります。
実は専用回路について法律による規制はありませんが、特にエアコンでは安全面から必須であり、電気工事店においても一般回路からの配線工事はお断りする事がほとんどです。
つまり改築などで部屋の数が増えてエアコンを追加で設置したい場合でも専用回路が無い場合や予備の分岐ブレーカーが足りない場合には設置できないケースがあるのです。
一方一般回路はテレビやパソコンなど低容量の家電に使われる回路で、1つの回路につき3~5個のコンセントが割り振られています。
すべてのコンセントを専用コンセントにすると配線の長さや分岐ブレーカーの数が増えてしまいコスト高になるためこのような区別が行われているのです。また集合住宅などではコンセントの一般回路は照明と共用になっているケースも多くなっています。
設備設計を行う上では…
住戸の電気設計を行う場合は通常、部屋に設置される家具の数や内容を確認することで、必要な回路の数をおおむね予想することができます。
しかしながらコンセントによっては専用回路にするか一般回路にすべきか個別に判断が必要なケースもあります。このような場合は利用者のニーズや分岐ブレーカーの数、また設置される家具の内容から決定しています。
また大型の施設においては、厨房の調理器具など専用回路の数も増加する傾向にあるため、あらかじめ設置される電気器具の数や容量を十分把握することがより重要になっています。
設備設計者はコンセント回路の設計においても安全面やコスト面などの複数の要因を考慮しながら設計を行っているのです。