コンセントの設置場所

基本的な設備設計業務の一つとしてコンセント設備の設計がありますが、実はコンセントの設置場所の検討は幹線設備や照明と同様に気を遣うべき点が多く、駆け出しの設備設計者にとっては悩ましい問題となっています。

具体的な理由として ①設置場所の良し悪しが電気機器を使う人の利便性に影響すること、②コンセントを設置することが困難な場所があることが挙げられます。

①についてですが、コンセントを適切に設置するためには、その空間を利用する人の行動を想像します。例えは住宅であれば、家電用コンセントをはじめ、スマートフォンやルンバの充電場所なども考えます。オフィスであれば、パソコンやコピー機などの配置に加え、ビジネスフォンやセキュリティー設備の電源もイメージする必要があります。

②について、コンセントを設置することが困難な壁面の代表例として集合住宅の界壁が挙げられます。界壁は延焼を防ぐ防火区画を兼ねているため、コンセントボックスを設置する場合には別途防火被覆が必要となります。また隣室との遮音性にも悪影響を及します。

上記の判断を行うには、平面図を眺めているだけではなく、断面図やパース(完成予想図)など複数の資料を十分に確認しなければなりません。また場合によっては施主や設計事務所に確認を得る必要もあります。比較的シンプルに見えるコンセント設備の設計も意外と奥が深いのです。

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