照明の設計 奥が深いダウンライト

日常生活において、意識して住宅や商業施設の天井についた照明を見上げることは少ないと思われますが、実は照明は居住性の良し悪しや空間のイメージを左右する重要な要素となっております。そのため照明の設計は専門の照明デザイナーが実施する事もある一方で、弊社の様な設備設計者が意匠設計者と相談しながら照明計画を考えて行くケースもあります。照明器具は様々な種類がありますが、今回はその中でも意匠設計者に選ばれるダウンライトについて紹介します。

ダウンライトとは

 ダウンライトは天井に埋め込む形状の照明器具を言い天井から出っ張らないので空間を広く使うことが出来ます。従来はトイレや廊下など狭い空間に使用することが多い照明器具ですが、近年では居室などの主照明として多く用いられます。ちなみに木造建築などでダウンライトの上部に断熱材が使用されている場合に気を付けるべきこととして器具からの発熱があります。SB型やSG型(※)などの断熱施工対応のダウンライトを選択することで適正な照明器具の寿命や安全性を担保することが出来ます。

(※)SB型…ブローイング工法、マット敷工法に対応、SG型…マット敷工法に対応

ダウンライトの種類

ダウンライトは、照射角度に方向性を持たせた「ウォールウォッシャータイプ」「ユニバーサルタイプ」、照射範囲の広さによる「集光タイプ」「拡散タイプ」「ピンホールタイプ」天井の設置状況に対応した「傾斜天井用」「防湿防雨ダウンライト」など様々な種類があり、用途により効果的に使い分けがされています。例えば「ウォールウォッシャー」は壁面全体を明るく照らすことに特化しており、「ピンホールダウンライト」はテーブルや装飾などの狭いスポットを照らしたい時やバーやホテルなどの暗い空間でダウンライトを目立たせくない時によく使われています。

引き立て役としてのダウンライト

ダウンライトはシーリングライトやペンダントライトなどと異なり照明器具が主張せずに建物や屋内空間を美しく際立たせてくれることから、意匠設計者が多様する照明器具の一つと言えるでしょう。器具自体がシンプルな構造をしていることから安価であり単に床を明るく照らすだけではなく、壁に掲げた掲示物や看板を照らしたり、ニッチスペースに置かれた可憐な花瓶にスポットを当てたりなど、様々なシーンで利用しやすい照明器具と認識されているのです。

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