高調波抑制対策

高調波とは基本周波数(50または60Hz)の波形に対して高次の波形を持つものをいいます。インバータ制御の普及により力率改善用コンデンサや直列リアクトルの加熱焼損事故などの原因となっています。ビルでの主な高調波発生機器は空調機器、エレベーター、ポンプなどです。

電気の環境基準レベルの高圧で5%以下、特別高圧で3%以下を維持するために経済産業省は「高圧又は特別高圧で受電する需要家の高調波抑制対策ガイドライン」を制定しています。(1994年制定、2004年改定、2013年改定)新築ビルなどでは受電申込時に「高調波流出電流計算書」の提出が求められます。設計時点で高調波についての対策は検討すべきと思います。

高圧受電以上の新築計画や高調波発生機器(対象外となる高調波発生機器は20A、7KVA以下)の新設・増設を行う場合に上記に基づく対策や届出が必要となります。2013年の改定により等価容量による判定が可能となり「高圧受電」「ビル」「進相コンデンサが全て直列リアクトル付」「換算係数Ki=1.8を超過する機器なし」の4つの条件をすべて満足すると第一ステップで検討終了することが可能となりました。

Follow me!

    設備設計の作業環境

    前の記事

    CADの普及
    リニューアル

    次の記事

    PCB含有電気工作物